翻訳しずらい日本語

今後の執筆方針

皆様こんにちは、マイクサカモトです。ブログですが、本日よりこちらに移転しました。引き続きよろしくお願いいたします。

今後の執筆方針ですが、人気のある「英訳しにくい日本語」を中心に展開したいと思います。それだけだと硬い話ばかりなので今までのように「翻訳にまつわる四方山話」や「海外出歩き記」も執筆していきたいと思います。

さて今回は「英訳しにくい日本語」です。本日は会社に関連する翻訳です。

「魂」は何て訳せば良いのでしょうか。あまりに日本的で一時私も悩みましたが、意外とsoulでも通じるようです。調べてみると、Soul mate (心の友) With all his soul and body, (全身全霊で)などけっこう使われています。肉体とは別な霊魂という意味で古くからこの言葉使われていたのですね。

ですから例えば、

土地に根付く魂を引き継ぎながら、新事業を立ち上げるを英訳すると

While having received the soul which is deeply rooted in this land, we are trying to start up a new venture.

ですんなり通じてしまいます。

ただし「魂」は必ずしもsoulにならず、普通はspiritのほうが自然な場合の多いようです。上記の例文の場合もsoulでなく、spiritでも問題ありません。

ちなみに「事業」という日本語も意味がいろいろあり、英訳はbusinessだけではありません、enterpriseのほうが良い場合もありますし、短期的なものならprojectのほうが良いと思います。例文の場合は”venture”ですが、いかにも新しくやる事業というニュアンスがあり、new businessより良いですよね。

さて「成長」ですが、これがけっこうぴったりと訳すのが難しいと思います。これと関連して「育てる」「育成する」「開発」もあります。「自己の成長のため」ならFor your own growthでピッタリです。ちなみに霊的成長は何と言うか、spiritual growthでmental growthとは言いません。もっとも霊的成長なんて哲学書でも訳さない限り出てこないかも知れません。Mentalは良く使います。「積極的な精神的姿勢」ならpositive mental attitudeです。

「人材の開発と育成」ならDevelopment and cultivation of human resourcesで決まりますが、育てるは、develop, educate, cultivateといろいろな表現があります。文脈によって使い分ける必要があります。「人は育てるもの」なら Personnel is to be developedとなります。

「組織のあり方」の「あり方」ですが、これがけっこう難しく今でも私はよく悩みます。

How organization should be とかideal way of existence for an organizationが日本語に近いですが、どうも長ったらしくてすっきりしません。そこで発想を変えてSignificance of organizationとかmeaning of organizationのほうが、意訳ですが、こちらの良いような気もします。日本語でもこのようなことを言いたいのだと思います。

さて今度は「先輩」です。これは難しいですよね。これが難しい原因として、日本人は直ぐに先輩と言うが英米文化には「先輩、後輩」という観念がないからです。Senior personと言うと、年配者の意味のsenior citizenを連想してしまいます。seniorはいろいろな意味があるので、文脈に合った使い方をしないとわかりません。例えば会社の先輩なら senior colleagueです。これと似ているのが先人、先達ですが、これは難しそうですが、 forerunner, predecessor で簡単に解決できます。

「実現する」と出てくると翻訳者は大抵realizeを使います。私はどうもそれが嫌でachieveを使うようにしていました。ただし、今回もう一度調べてみるとrealizeもおかしくないようですね。

He realized a lifelong dream by winning an Olympic medal. (彼は生まれた時からの夢をオリンピックメダルを獲得することで実現した)

He finally realized his ambition to start his own business. (彼は自身の事業を開始する野望をついに実現した)

と辞書に例文がありました。とても良い英文ですよね。

「発表する」は頻出単語で、私も恐らく何千回と英訳したことがあると思いますが、いつも少し考えてしまいます。主にAnnounce, release, publishとありますが、文脈によって使い分ける必要があります。

一般的には次のような使い方が適切だと思います。

The company announced a new policy. (当社は新方針を発表した)

The company released a new version of software. (その会社はソフトの新しいバージョンを発表した)

The company published new series software. (当社はソフトウェアの新シリーズを発表しました)

今度は「会社を支える」などの「支える」です。

support the companyでも通じますが、いつもsupportではつまらないと思います。Uphold the companyや時には少し踏み込んでplay a leading role in the companyと言ったら生きいきすることもあります。やはり掘り下げて少し意訳をしたほうが良い英文になるようです。