稟議って何て訳す?

本日はまた英訳し難い日本語です。日本の会社では稟議というものがあります。この英訳にはいつも頭を悩ましていました。Approval by the presidentとしたり、 Making a decisionとしたり、あとは文脈で誤魔化すと言ったら変ですが、正しくは文脈で補っていました。

英語は日本語のような漢字がありません。ですからその言葉だけだと意味がわからないことがよくあります。英語は文脈で初めて通じる言語なのです。それから日本語には言葉の遊びがいろいろありますが、英語にはそんなにありません。

翻訳を始めたばかりの頃、寅さんシリーズを英訳している本を勉強のため、読みました。

「結構毛だらけ猫灰だらけ、お尻(しり)の周りはクソだらけってねぇ。タコはイボイボ、ニワトリゃハタチ、イモ虫ゃ十九で嫁に行くときた。」

まさに気持ちの良い寅さんのたんかです。その本ではこのたんかを夢中になって英訳していましたが、これは言葉の遊びでそのまま英訳しても面白くないですから、英訳すること自体、意味はありません。

このようなときはどうしたら良いのでしょうか。対応するやり方は2つあると思います。1つは全部でなくても英語でも通じるいくつかのジョークを英訳する、もう1つは前後の文脈に合う全く別のジョークを制作して、入れ替えてしまうやり方です。どちらの場合も口語体のブロークンな英語でないと面白くありません。これは翻訳の範囲を超えている作業です。私は翻案と呼んでいます。

英語は日本語のように漢字を繋ぎ合わせたり、漢字とかなの合成から新語を作るなんてことは出来ません。しかし、最近はハイフンで繋いだ新語にお目にかかるときがあります。would-be はそのような1つの例で、would-be translatorと言えば将来の翻訳者という意味になります。

すみません、話は飛んでしまいました。元に戻して、稟議ですが、10年位前にピッタリの英訳を発見しました。それはmanagerial approvalです。この英訳だとどのような文脈でも大抵使えます。

さて本日はもう1つ訳しにくい日本語を考えます。それは先輩、後輩です。そもそも先輩、後輩という考え方は英語の文化にはありません。ですから、先輩に当たるsenior とか、後輩に当たるjunior とかを持ってきても通じないのですね。junior colleague, junior co-worker, junior memberのようにすると通じます。例えばTraining my junior colleagues at work can be sometimes be quite annoying. (職場の後輩を訓練するのは骨が折れることがあります) とすれば良くわかりますよね。