カタカナ英語を警戒せよ

かなり経験のある翻訳者でもカタカナ英語に騙されることがあります。かく言う私も完全に騙されたことがあります。それはキャッチコピーです。キャッチコピーとは宣伝文などでトップに使うタイトルことです。これはこのまま英語として使えるだろうと思い、catch copyとしたのですが、catch copy は和製英語とわかり、赤面したことがあります。正しくは catch phrase なんですね。では本文は何と言うか。日本語ではボディコピーとも言います。Weblioに当たるとbody copyという訳語が出てきますが、これは違うと思います。正しくはbody text あるいは単にtext でしょうね。

くだけたところではポテトフライ。これは辞書にもfried potatoes とありますが、これを使うアメリカ人はいません。French friesと言います。

またアメリカンドッグは、American dog とコンビニに書いてあるので、良いのかなと思いましたが、あるネイティブスピーカーはいつもこれを見て笑っていたそうです。正しくはcorn dogです。

実務で良く出てくる間違いで困るのはNGです。No good.を略してNGにしたのは明らかですが、これも実際には使用されていません。Not acceptable.とかNot successful.が正しいのですが、仕様書や報告書などの前のバージョンでこれが使われている時は困りますよね。NGを使わなければいけないような錯覚に陥りますが、英語としては間違っているので、その誘惑は避けなければなりません。

それからok’dを初めて見た時はびっくりしました。「合意した」、「了承した」ということで、これは使うようですね。もっともオフィシャルなドキュメントではおかしいと思います。

さて今度は少し難しいですが、「トップ」です。トップとは便利な日本語なので、日本人はこの言葉を使うのが好きですね。トップメーカー、業界トップ、トップクラスとトップから始まる言葉はかなりあると思いますが、topという英語を使わないでleading を使ったほうが自然な表現になるようです。例えば「世界トップクラスの無線通信機器メーカー」なら world leading manufacturers of radio communications equipment ですね。

もう1つ翻訳者が良く間違えるのは~アップで、「イメージアップ」をimage-up, 「バージョンアップ」をversion-upでも通じますが、正しくはimage improvement, version upgrade です。「感度アップ」をsensitivity-upとしたら、おかしな英語になります。”increasing the sensitivity”とすれば良く分かる自然な英語です。

面倒な話ばかり書いたので最後に柔らかい話をします。トイレですが、アメリカではtoiletと言うと便器の意味に聞こえますので、bathroomでなければダメと随分昔、言われました。Bathroomというとお風呂のようなニュアンスなのではないかとアメリカではそんなことはありません。Restroom でも問題ありません。

ちなみにトイレに行くとき、大か小かって何て言うと思います? 正解はNo.1、No.2ですが、No.1が小でNo.2が大です。卑猥なニュアンスはないのでトイレに行く人にNo.1? or No.2?と聞いても全く問題ありません。ニヤリと笑ってNo.1かNo.2と答えてくるはずです。