英文読解力を向上させる(2) 文法って役に立たない?英文読解力を向上させる(2) 文法って役に立たない?
今日は文法です。文法というといやだというかも知れませんが、ちょっと話を聞いてください。
私たちが英米人に日本語を教えると面白い質問がでてきます。たとえば日本人にとっては「私はあなたが好きだ」でも「私はあなたを愛している」でも矛盾なく理解しますが、外国人にとってはそれが気に入りません。かれらの質問は「あなたが」と「あなたを」とどのように使い分けたらよいのかということです。

それからもう一つ、もっと単純ですが、私たち日本人が答えられない質問があります。形容詞で「かわいい女の子」、「赤いバラ」と言えるのに「きれいな女性」を何故「きれい女性」と言えないかです。

日本語の文法で言いますと、「黒い」とか「面白い」などのように最後が「い」で終わる形容詞を「い型」形容詞と言います。外国人で日本語を勉強している人はこのことを知っていますが、私たち日本人は、日本語教師以外は普通知りません。知らなくてもこのような区別は自然にできてしまいますが、外国人にとっては日本語の文法を学ばないとこれは歯が立ちません。

英語の文法もこれとまったく同じことなのです。I give you money.とは言いますが、 I give money you.とは言いません。 同じように、Send me a letter.とは言いますが、 Send a letter me. とは言えませんよね。どうしてもそう言いたいのなら、 Send a letter to me.となります。このようなことは英語のネーティブスピーカーにとっては自然に覚えていることなのですが、われわれ外国人にとっては言葉の決まり--つまり文型であり、文法ですが--を覚えないとまったく手がでません。
この決まりを覚えることによって、こと細かい、言葉の使い方を覚えていなくても、正しい言葉使いができるのです。そう考えると文法って大変便利なものですよね。本当は便利なものなんですが、日本の英語教育が間違っていてあまりにも文法偏重主義になってしまい、文法をつまらないものにしてしまったんです。

だって中学一年の英語の授業で、I, my, me, You, your, you を表にしてアイ、マイ、ミー、ユー、ヨー、ユーと機械的に暗記させられては好きになれるはずはありませんよね。

筆者が予備校で英語の担当教師として英語を教えたことがあります。

筆者は自己紹介で、マイクサカモトと申します、でもアメリカ人ではなく、日本人です。何故マイクというか分かりますか...という感じで面白くレッスンを始めました。

生徒さんたちは面白い先生だなという顔をして熱心に聞き始めました。そのため、軽い冗談をたたきながら初めての授業は楽しく終わりました。
この授業は筆者の初めての授業だったので、このあとに予備校の幹部から、私の授業に対する指導やコメントがあったのですね。どんなことを言われたかと言いますと、「授業は工夫があって面白いが、もう少し文法のことを教えて欲しい」なんですね。
どうしても文法中心にしないとダメなんですね。

話は戻りますが、最低限の文法だけ学べばそれはとても便利なものです。
現に筆者の場合、どちらの英文がより正しいかをネーティブスピーカーと議論するとき、こちらは文法だけがたよりですけど、これがすごい味方なんですね。文法の知識のおかげで対等な議論ができます。英文を理解するときも、日本人の場合は文法がわかっていないと、理解できないことがよくありますし、逆に難解な文章でも文法の知識に助けられて理解できるときがあります。

たとえば簡単な例ですが、マンションを探しているジャネット(Janet)と不動産仲介業者(agent)の次のような会話があります。

Janet: Are there any windows in the bathroom?
Agent: No, there aren't. But there are two large ones in the bedroom.
Janet: Good. It's a very nice apartment.

話は例によってまたそれますが、マンションというのはもともとフランス語で邸宅を意味していたのが日本語になったものです。日本語で言うマンションは英語ではアパートメント(apartment)です。「あらいやだ!マンションと言いたいのよ」ですって。残念ながらマンションでは通じません。コンドミニアム(condominium)がマンションに近いですが、部屋を探すときには Do you have an empty apartment?と言うしかありません。

さて話をもどしましょう。
例文中の仲介業者の答えでtwo large ones の ones がwindowsを指しているのはおわかりでしょうが、これがわからないと訳しようがありません。it と one は同じ指示代名詞ですが、it はそのものずばりを指示するのに対して one は同じ種類のものを指示しているわけです。したがって、Do you have an English dictionary? と質問したとき、Yes, I have one. とは答えられますが、 Yes, I have it.とは答えられません。このように説明されると、分かりやすいですよね。

さて次回は文法で最も難しいと言われている定冠詞について議論したいと思います

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