英文読解力を向上させる(3) 定冠詞は最も難しい英文読解力を向上させる(3) 定冠詞は最も難しい
こんにちは、マイクサカモトです! お元気ですか。さて今日は文法の続きです。
前回引用した英会話教材"American Streamline" Departureに
"Last night there was an earthquake in Mandanga. The earthquake destroyed the Central Bank."とでてきます。
The earthquake の The は前にでてきた earthquake を指しているのはすぐわかると思いますが、Central Bank は、初めてでてくるのになぜ the がついているのでしょうか。この Central Bank (中央銀行)は日本銀行のような公的銀行で一つしかないから the がついているのです。文法的知識があると、この文章を読んだ瞬間にそのようなことがわかります。

the United States of America の the もそうで Have you been to the States? と聞かれたら、この the States は the United States of Americaの略ですから、the は省略できません。

実はこの定冠詞は英文法の中でも最も難しい分野であり、あまり専門的にやる必要はありません。あくまで読解力向上のためということにするべきでしょう。ちなみに日本人英語学習者にとって最も難しいのは、この定冠詞/不定冠詞と、単数/複数、時制の一致で、これだけはどんなに努力してもネーティブスピーカーにかないません。この定冠詞とか単数/複数について勉強したいという上級者あるいは文法が好きでたまらないという人に参考書を記しておきます。

「英語のなかの複数と冠詞」 小泉賢吉郎著 ジャパンタイムズ発行

この本はI like a girl. と I like girls. とどう違うかを理論的に説明しているような労作で、文法をこのような観点からやっていくと面白くなります。なにしろにっくき(?)ネーティブスピーカーと対等になれる武器はこれしかないわけですから。

話はそれますが、ネーティブと言ってもいろいろです。語感のするどくない人に聞くと何を聞いてもわからないときもあります。前にもお話したことがありますが、筆者が何年か前にある契約書がわからなくて、大学を卒業したばかりのアメリカ人に文章の読解について質問したのですが、筆者のわからないところにいく前に冒頭のBoth partiesのpartiesでひっかかってしまったんです。partyの意味がわからないというのです。この場合は、契約書ですから「当事者」という意味で、Both partiesは「両当事者」と訳すべきなんですね。ところがこのアメリカ人は契約書なんて読むのが初めてだったので、全然わからなかったわけです。
面白かったのは、またある別の人は何を聞いてもわからなかったんですが、答えられることを聞くと喜んで得意になって教えてくれました。こんなわけですから、英文のリライトとかチェックとかですと、能力がない人ですとまったく役に立たないわけです。

さて話はもどって文法がどうしても面白くならないという人は参考書を一冊読んでおけばよいでしょう。つまらないものを勉強する絶好の場所(?)、トイレで毎日読めば3ヶ月もあれば読めると思います。初級者にも上級者にもためになるものを一冊だけ推薦しておきます。

「改定新版 徹底例解ロイヤル英文法」 宮川幸久、綿貫陽、須貝猛敏著 旺文社

ただし推薦された本でも自分で読んでよくわかる、あるいはわかりやすくなければ買わないほうがよいでしょう。書店で手にとってよくわかるものであればなんでもよいと思います。

筆者自身もあまり文法は勉強していません。筆者が英語を始めたのは会話からでした。高校が上野公園にあったのですが、毎日高校に行かないで上野公園にある国立博物館に行きました。そこに行くと外国人が必ずいました。その外国人を相手に話しかけて10分間でもわかったような、わからないような英会話を楽しんでいました。

文法は大学受験で詰め込むのが普通ですが、私はそこからずっこけていましたから、文法が弱かったのですね。

ところが困ったことに、翻訳をやり出すと英語を正しく書くために文法が必要になりました。そして翻訳者やレビュアーは大学受験を猛勉強している人がほとんどですから、英文法は詳しいのですね。ですから、私に質問するときも文法の知識を使用して質問してきます。その質問がわからないので文法について反対に質問したりしたこともあります。そうすると、どちらが教えているのかわからなくなりますよね。

また翻訳で収入が足らずに塾等で英語を教える時もありましたが、生徒から文法についての質問をされます。ところが、その質問の意味が分からないときがありました。これはまずいと思い、大学受験の時にやらなかった英文法を40歳を過ぎてから猛勉強したのです。

そんなわけで文法が嫌だという読者の気持ちは良くわかります。それでも英文法は私たちの大きなツールとなります。翻訳者としても食べられる翻訳者になるためには、文法をきちんと理解していないと無理だと思います。「急がば回れ」とは翻訳の世界でも真理なのですね。

さて読解力向上についてはとりあえずこれで終わりにしますが、語彙を増やし、文法をきちんと理解すると読解力がアップすることが、おわかりいただけたと思います。

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