肩書きの決め方(1) 名刺の作り方肩書き英語
1. ルールがない

欧米の会社の部署や肩書きのきめかたは日本とちがって自由です。大手はともかく中堅や小企業になったらルールなんかないといってもよいでしょう。日本では大きい順から局、部、課となっていますが、欧米では division, department, section などの言葉に大きい小さいの概念はあまりありません。
また、アメリカの会社は中堅の会社でも vice president が何人もいます。これは日本的な意味の副会長や副社長とはちがいます。おそらく日本の企業の部長クラスです。アメリカでは vice president になると個室も与えられ、車が与えられるとか、その他の恩典(fringe benefit)もあり、出世ができたということになります。この上の senior vice president になると、日本でいう常務、専務、副社長クラスです。
何故、vice presidentが多いのでしょうか。出世を競争するモティベーションともなっていますが、それより大きい理由は営業のためです。アメリカの会社は日本の会社よりも営業を重視しています。会社を代表するのは社長ですが、社長を何人も作るわけにはいきませんが、副社長は何人いるか外部の人はわかりません。しかも広い国土で一人の社長が指揮を取ることは至難です。このため、大量の副社長が必要になったのですね。その結果、アメリカの会社は全世界のどの会社よりも営業が優れてしまったのだと思います。アメリカの能力ある営業スタッフは滑らかに英語を話し、はったりを見事に決めて、うまく話を進めて行きますものね。

2. 常務取締役、専務取締役をどう訳す

したがって、このへんを踏まえて英文肩書きを作らないとそれは正しい英語とはなりません。よくある間違いは常務、専務を managing director と訳している人がいますが、正確ではありません。managing directorには代表取締役という意味があるからです。私が翻訳した英文契約書ではほとんどこの意味で使われていました。正確には法律上の書類では代表取締役は representative director と訳さなければいけないと言われていますが、この言葉は一般的でなく契約/法律文書をあまり読んだことがない欧米人は、この英語は聞いたことがないと言います。常務、専務という言葉も英語にはもともと無く、これを訳すとしたら、やはり senior vice presidentが一番近いでしょうか。もっとも日本的に直訳したいということであれば、executive director でもよいと思われます。

3. よく見る CEO ってなーに?

CEO は chief executive officer の略で、代表権をもつ会社のトップのことです。訳語としては最高経営執行者とか最高経営責任者です。通常、会長か社長で、代表権をもっています。ちなみに日本ではたまにある代表取締役専務は訳しずらく、欧米のビジネスマンにはわかりずらい言葉なので他の日本語から訳したほうが良いと思います。結局、常務、専務と同じ訳語になると思います。
4. 日本語と英語版は完全に分けた方がわかりやすい

このような理由から、肩書も、言葉にとらわれず、日本語と英語版は別にしたほうが、良いことはおわかりいただけたと思います。カタログなどの文書もこの考えをあてはめたほうが、良いと思われます。特に、さきほどの履歴書と同じで、謙虚に控えめに表現したのではまったくアピールするものは、ありません。またビジュアルな文化が日米で全く違うので、日本語版と英語版は初めから違うものを作成するべきです。

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