翻訳者への道(2)翻訳者への道(2)
Hi, everybody!

在宅翻訳者になるには次のような方法があります。

  1. 翻訳学校に行くか、翻訳講座を受ける。
  2. 先生を見つけてその下訳をする。
  3. 翻訳会社に入ってチェッカーをする。

今回はこのチェッカーについてお話します。翻訳会社は通常仕事が入りますと、在宅の翻訳者にその翻訳を委託します。その翻訳があがったときにその仕事をチェックするのがチェッカーです。翻訳経験の少ないチェッカーがチェックする内容は主に下記のようなものです。

  1. ヌケがないか
  2. 誤訳がないか
  3. 数字があっているか
  4. 用語集などクライアントからの要求仕様にあっているか

この作業をする中で、翻訳の基本的なことを学ぶことができます。うまい翻訳と下手な翻訳を毎日見ているわけですから、大変な勉強になります。そのうち簡単な仕事を自分でも翻訳するようになるのですが、自分でやるとなかなかうまくいきません。自分がやった仕事を誰かにみてもらって腕を磨いていくわけですね。ですから、翻訳者になりたいと思っている人はこのようなチャンスがあったらどんなに給料が安くても入り込むべきだと思います。ある翻訳会社の社長は美人の女性チェッカーをそばにおいていたいんですね。ですから腕に自信がなくても顔に自信があったら、チャンスはありますよ。顔に自信がなかったら愛敬でしょうか。「ボクは男だからどうしたらよいか」ですって。そうですねぇ、男芸者でもやるしかないでしょうかね。筆者の脱線はきりがないですから、このへんでやめます。

これがベテランのチェッカーになりますと、内容をチェックするだけでなく、英語でも日本語でも不適切なところをすべて書き直します。興味深いのですが、うまい人の翻訳原稿は日本語でも英語でもわかりやすくスラスラ読めます。対訳でチェックする必要がほとんどありません。スラスラ読めない原稿は対訳でチェックして書き直さないと納品できません。

良く体験することなのですが、英語から日本語に訳された書籍を読んで感動するのですが、同じ著者の著作を別な翻訳者が訳した日本語の書籍を読むと全く感動がない、おかしいなぁと思って英語版を購入して読んだら、感動するんです。

つまり、このような日本語版は、翻訳は間違ってはいないのですが、訳者が経験不足で著者の主張したいことを十分に把握し、その上で著者になったつもりで自然な日本語にするということができていなかったんですね。 つまり翻訳は出来ていないということになり、使えない訳者となります。

この辺のニュアンスまでつかんで翻訳し、チェックするということになるとプロのチェッカーとなり、翻訳も出来ます。このクラスになると翻訳会社からも出版社からもひっぱりだこになります。

さて以下はこれから翻訳者を目指す人に対する助言です。
1. 自分は英語がわからないと思うこと。
一つの言語を自由自在に翻訳するということは不可能に近いほど至難のことです。死ぬまで英語を勉強し続けるという姿勢がないと成功しません。
2. 日本語をもう一度学ぶこと。
プロの物書きがどのような文章を書くのかを研究すること。「文芸春秋」など、ライターを目指す人が読む本は勉強になります。また文学者やフリーライターのモデルを見付け、その人のライティングを真似すること。自分のライティングスタイルを確立すること。
3. さまざまな分野の書籍をできるだけ読み、包括的な見方を養うこと。
翻訳は人生の全てを訳します。単一の知識ではプロにはなれません。知らない分野は学ぶ姿勢を持ち続けること。

次回以降は筆者の体験も踏まえ、具体的にお話してみたいと思います。

[質疑応答コーナー]

Q:
<A社からB社へ2年間出向し、このたび、その出向勤務を終えて、A社に戻った。>
上記の表現を英訳したいのですが、<出向>という表現が分かりません。ご教示よろしくお願いします。

A:
実はこの出向というのは翻訳が難しいんですね。二通り考えました。
1:
I was dispatched to Company B by Company A for two years and have now returned to Company A after finishing the dispatched work.

2:I was transferred to Company B, on loan from Company A, for two years, then retuned to Company A after completing the assignment.

Q:
質問です. 受験の英語で,例えば 「あなたはピアノを弾かないんですね」
"You don't play the piano." 「はい,弾きません.」"No, I don't" 「いいえ,弾きます.」"Yes, I do." という風に,英語では,質問に同意をする場合でも内容が否定文であれば,"No"で答えると習います.通常はもちろんその通りですよね.
ところが,この間,映画で,以下のようなやりとりがありました.(何の映画か忘れちゃいましたけど.)
A: "You don't like it."「嫌いなんだね.」
B: "Yeah."「ああ.」  
単に字幕が間違ってるとかではなく,状況からして,Bさんは,"好きではない"ようでした.じゃ何で,"No (, I don't)."って答えないの?,という疑問がわいたわけです.しかも,最近,海外のニュースの街頭インタビューなどでもこの様なやりとりを耳にしたことがあるのです. 最近のくだけた英語では,"Yeah (, I don't like it)."というような表現もするんでしょうか? それとも,単に私の聞き間違いでしょうか?

A:
外国人スタッフとも相談してみました。結論としては間違いということです。ただその時の雰囲気で "Yeah" と言ってもわかるということです。"Correct."と言えば正確な英語となります。
会話となると文法は軽視、時には無視されることもあります。このようなときはコンテテキストに従って訳すべきだと思います。

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