アメリカ人の道案内はあてにならない

レクシントン

午前10時に提携候補の大学の職員が迎えに来てくれた。見学の後、学生が利用する大学内のカフェテリアで昼食をごちそうになる。おかずの種類はそれほど多くないがビュッフェ形式で5ドルだそうだ。アメリカの大学のカフェテリアはとても広い。景色の良いカフェテリアで大学生と一緒に食事をするのはとても楽しい。

レクシントンは人口27万人の都市だが、1775年4月、アメリカ独立戦争の最初の戦闘地として由緒ある都市でもある。大都市と異なりアメリカの地方都市はそれなりの特色があり、大都市にはないアメリカ的魅力がある。

ミニスーパーのウォルグリーンズ(Walgreens)が4ブロックも歩けばあると言うので、行ってみた。ところがない。
道を歩いている人は少ないが、そのうちの一人に聞いてみたらここからあと5ブロック先だそうだ。おかしいなと思ってまた別の人に聞いてみたらあと2ブロック先だと言う。アメリカ人が言うブロックというのは「くせもの」で、言う人によってバラバラなので注意が必要である。
結局、いくら探してもなかった。アメリカ人の道案内はかなりいい加減である。道案内だけでなく、アメリカ人に質問すると、よくわかっていなくても自信を持って言われるのでつい信用してしまうが、違うことがよくある。「違っていたよ」と言うと、いとも簡単に"I'm sorry."でケロッとしている。これがアメリカ文化である。

話はとぶが見ず知らずの人に道を聞いたり助けを求めたりしていると他の人までワイワイよって来るのがアメリカの文化である。それで初めに対応していた人が気を悪くすることもない。日本だと寄ってこない。そばに誰かがいても見てみぬフリをしている。見知らぬ人に声をかけるということは用がない限りしないのが日本の文化だ。

そう思っていたら大阪に行ってそうではないことに気がついた。大阪では知らない人に声をかけても失礼ではない。サウナで初めて会った人が話しかけてくる。道がわからなくて聞いていると関係ない人まで寄って来ておせっかいをしようとする。大阪人はアメリカ人と似ているのである。
筆者は東京生まれだが、大阪スタイルのほうが好きである。

夕食は地中海料理で知られているというレストランに行くが、値段の割に量も少なく味もたいしたことはない。それでいてウェイターがなかなか来てくれず、サービスもよくない。そのうち飛んでいる小さな虫がビールのグラスに入ったりしてちっとも楽しめない。勘定を頼んだら81.09ドル。現金で100ドル渡したら、「おつりはいるか」と聞いてきた。冗談じゃない、チップなんか払いたくないくらいだ。「おつりをくれたら、チップを払いますよ」と言っていったんおつりをもらいその中から渋々13ドルをチップとして払った。アメリカ人はサービスが悪くてもチップは必ず取る。

レクシントン発
シカゴ経由でウィスコンシン州のマディソンに入る。フライトはともに定刻(on time)どおりだった。今回の出張では飛行機が定刻通りに飛んだのは初めてである。
シカゴはアメリカ第一の飛行場である。飛んでいる飛行機の数も違う。アメリカ旅行の中心地である。
ホテルはダウンタウンより離れていたがホテルからシャトルでダウンタウンまで無料で連れて行ってくれるのが便利である。
他の中西部の小都市と異なり、数は少ないがタクシーが拾える。ただしメーターがついているのとついていないのがある。

マディソン

本日は日曜だが、提携候補大学の幹部職員にフランス料理店で夕食をごちそうになる。アメリカ大学の幹部からはいろいろなレストランでご馳走になってはいるが、会員式の高級レストラン (exclusive restaurant) でご馳走になったのは二回目である。サービスもフランス料理店らしく、丁寧で赤ワインを飲みながらゆっくりとエンジョイさせてもらった。

飲み足りないので近所のバーに行く。黒ビールがおいしそう。ちなみに黒ビールは dark beer で、black beer では通じない。
銘柄が多いので一番強いのを味見させてもらった。味がきつすぎてとても飲めない。これより少しマイルドなものをもらったがそれでもかなり強かった。それでも美味しい、いくつかの銘柄を飲んだらかなり酔ってしまった。

マディソン発

デンバー経由でバンクーバーに行くスケジュールだが、またまたシカゴまでの飛行機が1時間遅れ、次の飛行機に接続できなくなってしまった。飛行機の接続トラブルはアメリカでは避けられないのかも知れない。

バンクーバー

「キリン」というバンクーバーで最も良い中国料理店の一つとされているところで夕食をとった。ところが味はともかくサービスがあまりにも雑である。覚えたての日本語を使って気を使っているようなのだが、どうも軽薄である。
カニ料理を注文した。カニのからがたまった小皿を取りかえに来てくれるのはよいのだが、身が中に入っていて食べている途中なのに下げていいか("Finished?")とも聞かずに持っていってしまう。
このようなことが何べんも続いた。
腹が立った私はそのことについて文句を言ったら途端に態度が変わった。今度は丁重に("Finished?")と聞くようになった。
この店のように日本人観光客が多く来る店はサービスや店の雰囲気がいつのまにか変になっている場合がある。
適当に喜ばせてお金を使わせようという態度がみえみえであまり気分がいいものではない。

バンクーバー

午後3時からソフト・ディベロッパーと面談。商談後にカナダ人に最も人気のある中国料理店はどこかと聞いたら Robson Street にある「Hon's」(http://hons.ca/restaurants/)だと教えてくれた。

夕食はそのHon'sに行く。入り口は高級感もなく何の変哲もないつくりなのだが、行列が出来ている。待っていると何人かを聞かれて整理券が渡される。待っている間にメニューを見たら料理の数はかなり多い。雰囲気は大衆店のつくりなのだが、値段は決して安くない。席数はおそらく300以上はある超大型店舗である。

出てくる料理を見たらその量の多いのにビックリした。日本の中国料理店の倍以上ある。私たちは三人だったが一品料理を二品と焼きそばを一つだけ注文したが、残してしまった。味も決して悪くない。それでいて会計は飲み物も入れて日本円で9,000円もいかない。料理を食べながら入り口を見ていると行列が出来るのだが、回転がいいらしくすぐに行列はなくなる。そのうちまた行列が出来る。席数が300以上ある店でこのような超繁盛店は日本でもない。

バンクーバー

午前9時に提携大学の職員が迎えに来てくれてキャンパスに連れて行ってくれた。時速100キロで飛ばして1時間以上かかった。
この車中で女性ドライバーからこの大学についての情報をいろいろ聞けた。
かなりスピードの速い英語だったがなんとか聞き取れた。ところがキャンパスに着いたら出てきた幹部職員のスピードはさらに速くわからない。
ほとんど推測で受け答えをした。

いつも思うのだがネーティブスピーカーは何でこんなに速く話すのだろうか。日本語では商談の時、ニュースより速く話す人は少ないだろう。インタビューやディベートにしても速いスビードでは話さない。ところが英語の場合、人によってメチャクチャ速くなる。文章の終わりでも間を置かなくなる。
日本語検定試験一級の資格を持っているアメリカ人でも、早口な大阪弁で漫才をやられたらさっぱり分からないだろう。

夕食は鮨か中華かともめた。そこではしごをしようということになる。一軒目の中華は「インペリアル」、(Imperial) (https://www.yelp.ca/biz/imperial-chinese-seafood-restaurant-vancouver)という高級店。ハリウッドのスターがよく来るというのが自慢らしく構えている店だ。味はまあまあだが、あまり気に入らない。
隣の席の日本人がロブスターだ、北京ダックだと、値段が張るものばかり注文しているので店のウエイターの気の使い方がちがう。
私はいつも海外の観光地で日本人が中国料理店に入ると必ず北京ダックやフカヒレなどの高級料理を注文するのを見ている。別にいけないとは思わないが、この人たちは日本で中華を食べるときもこのようなオーダーをするのかと思ってしまう。
中国料理のメニューは一万以上もあると言われ、そのメニューの豊富さは他の料理の追随を許さない。ホイコーロー(回鍋肉)とチンジョウルース(青椒肉糸)を卒業したら北京ダックやフカヒレというのも日本人的横並びでほめられたものではない。

二軒目の鮨屋では坐ってから料理が出るまでさんざん待たされたのにネタもシャリもよくない。カナダという立地を割り引いてもこの店の板前の腕は相当悪いほうだろう。私は途中で食べるのをやめた。
それでもこのような店でもカナダ人には人気があって数人だが待つ人が出てくる。ところがカナダ人は日本人と違って混んでいるから早く済まそうと思う人はいない。今日も私たちの隣のカウンターに坐っているカナダ人たちは学生のようだったが、とっくに食事が終っていて飲み物の注文もしないのだが、延々と話しつづけている。
腕が悪くて日本で売れない料理人はアメリカやカナダで「貧乏大作戦」をやると当たるかも知れない。

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