アメリカではアルバイトという考えがない

サンフランシスコ

午後2時からパートナー候補のジョンと面談、打ち合わせ。中国系アメリカ人だ。サンフランシスコもロスアンゼルスと並んで国際色豊かな都市である。いろいろな民族が集まってアメリカのパワーになっている。
コーヒーショップに入ってコーヒーを注文したらこぼれそうになるぐらい、なみなみと注いだのを持ってきた。しかも熱くて持てない。コーヒーカップをのせてあるお皿を持ってコーヒーを飲もうとしたらジョンがニヤッと笑って「ここはアメリカだからそんな飲み方をしても問題ない」と言った。確かにその通りだ。でも日本ならあふれるほどコーヒーを入れて客にサービスするコーヒーショップは絶対にない。ましてこのホテルは一流ホテルである。

ジョンと話が始まって聞いてみたら彼はある会社に現在勤務していると言う。それでは私の仕事を手伝うのはムリではないかと聞いたらパートタイムでやるから問題ないと言うのである。
アメリカでは企業がフルタイムの従業員に対してアルバイトを禁止することはない。決められた勤務時間と職務を履行すればあとは何をやっても文句を言われることはない。日本のOLのようにコッソリとキャバクラでアルバイトをしているなんてことはないわけだ。
したがってふたまたをかけている人はけっこう多い。筆者の知っている人で最も派手なのは人気のある大学教授でありながらコンサルタント業を営み、さらに数億円の資金を動かして不動産業をやっている人がいる。

夕食はジョン推薦の中国料理店に行こうということになった。値段は高いがサンフランシスコでは最も有名な店だというからである。
行ってみてメニューを見たら確かに高い。50ドルから 70ドルの一品料理がいくらでもある。マーボドーフみたいに素材の安いものでも25ドルもする。内装は豪華でホールのスタッフは男女とも蝶ネクタイにタキシードと高級感を出している。
ところが料理が出されて食べ始めたら小さなハエのような虫がとんでくるのである。とうとうそのうちの一匹がビールの中に入ってしまった。さすがにこれはひどいと思って苦情を言ったら新しいビールを持ってきてくれた。
話はこれで終らない。追加の料理を取ったらその中に髪の毛が入っていたのである。もう興ざめである。
外面だけきれいにしていても裏の調理場は不潔なのだろう。アメリカのレストランはクリーンリネスについては高級店も含め落第なところが多い。

ホテルに帰って電話を見たら伝言が入っている。留守番電話装置を聞いても何を言っているのか何回聞いてもわからない。くちごもって話しているのである。仕方がないので交換台を呼び出し、助けを求めた。そうしたら明日のミーティングについての確認の電話だと言う。名前はわかると聞いたら聞き取れないと言うのである。
相手が言っていたという電話番号を聞き取ってもらい、かけてみたがかからない。電話番号が間違っているのだ。その間違った電話番号を頼りに明日のミーティングの相手でその電話番号に最も近い人を調べたらショーンという人だとわかった。電話したら確かに電話したと本人は言っていた。
アメリカ人は留守番電話に伝言を入れるとき、あまり神経を使わない。日本人は自分の名前とか、電話番号は明瞭に発音しようとする。それがビジネス上の礼儀でもある。アメリカ人はこの感覚が希薄である。
したがってこのようなことが起こるのである。

<英会話応用例>
マイク: 交換台ですか。すみませんが、少し手伝って貰いたいことがあります。
(Mike: Operator? I'm wondering if you could you help me.)
交換台: はい、何でしょうか。
(Operator: Yes, what is it?)
マイク: 実は私が出かけている時、電話を受けたらしく、その留守番電話がわかりません。聞き取っていただけますか。
(I've received a telephone call while I was out but I could not understand the message. Could you listen to it and tell me what it is about?)
交換台: ある男性が明日の会議での確認したいとのことです。
(A man called you and said he would like to confirm tomorrow's meeting.) マイク: その人の名前はわかりますか。電話番号も言っているようですが、何番ですか。
(Can you tell me who he is? It seems he said his telephone number. What is the number?)
交換台: 口ごもっているため、聞き取れません。
(Operator: He was mumbling, so I could not understand what he said.)

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