ロンドンからローマへ

本日からローマである。すでに迎えに来ていたタクシーに乗り込んだ。驚いたことに運転士はスーツにネクタイをしている。会社の方針だそうである。道中いろいろな話をした。タクシーの運転士とし ての月収は平均すると手取りで16万円、住宅ローンの返済で8万円。奥さまが働いているので子供の学費も何とか出せると言う。イギリスは全体として二極化 が進んでいるそうだが、特にロンドンは顕著になってきているようだ。

そんな話をしながら空港に着いたが、いくら探してもアリタリア航空の カウンターがない。また発着を知らせるモニターにローマ行きの該当するフライトがないのである。悪い予感がしたが、当たっていた。スカンジナビア航空の職員の人が親切に調べてくれたが、タクシーの運転士が降ろしてくれたところはアリタリア航空の飛行機が発着しないターミナルだったのだ! さぁ、大変だ。急がなければ。タクシーで行こうかと思ったが、どうもその必要はなさそう。20分くらい汗だくで歩いたら着いた。

該当する飛行機会社のカウンターがないところにタクシーから降ろされたのは初めてである。海外旅行は油断も隙も許されない。

ローマ滞在
某月某日 道に迷う

海外旅行ではホテルにチェックインして何も問題ないことは珍しい。水が出ない、冷暖房が効かない、窓が閉まらない等、高級ホテルに泊まっても問題があることのほうが多い。

ローマのホテルでもトラブルを片付けて外出した。 ところが、帰ろうとしたら道に迷ったようでホテルに着かない。ローマは東京と異なり、曲がりくねった道が多く、道が整然としていない。誰かに聞くにしても一般の人で英語が出来る人は少ない。ヨーロッパではドイツ以外は英語よりフランス語のほうが通じる。以前はフランス語でも会話が出来たが、今はカタコトしかできない。ホテルの名前も完全には覚えていなかったのでカタコトのフランス語で道を聞いたら問題は悪化するだろう。はたと困ってしまった。

ところが同宿の人が歩いているのを家内が見つけた。その女性が日本人の顔をしているので覚えていたそうだ。そこで「すみません」と日本語で話しかけたが何も答えがない。”Excuse me.”と言ったら振り向いてくれたので事情を英語で話して帰り方を教わった。救われた。

海外旅行は慣れてくると緊張感がなくなる。言葉が通じないというのを忘れていた。出かけるときはホテルの名前と住所が書いてある名刺を持っていくこと。海外旅行のベテランが初心者に戻ってしまった。

ローマのスパゲッティはこんなもの?

ブランチにホテルのそばのレストランに入った。他の客がスパゲッティを食べているので取ってみた。美味しいと思って食べたがどうもいまひとつである。東京のレストランのほうが美味しいのではないかと思った。別のレストランでもそんなに美味しい気はしなかった。ホテルは高級なのにレストランの味は大したことはなかった。

ローマに来たら行かなければならないところがある。バチカン宮殿である。タクシーを呼んで貰って行ったが前にも体験した感動がよび起された。宮殿のどこに行っても世界の宝とも言える絵画のオンパレードである。天井にも連続して書かれているので見ていると首が痛くなる。宗教的なものもあるが、クリスチャンではなくとも感動する芸術と思う。

某月某日 フライトの時間を錯覚する

今日からまたロンドン出張である。朝8時に目が覚めた。新聞を読んだり本を読んでもまだ9時である。12時までに出れば間に合うからと思っていたが、何気なくエレクトロニックチケットを見直してみたら離陸の時間が午後1時20分である。何で12時に出て間に合うのか、遅くても10時に出なければ間に合わない。

青くなった私は荷物を再点検して朝食も取らずに飛び出した。ところがアリタリア航空のカウンターでチェックインしようとしたら長蛇の列である。やっとチェックインを終えて飛行機に乗れた。
ローマまでの飛行時間は13時間である。ほとんど食べずに飛行機に乗ったのでお腹がすいている。のども渇いている。いつもならゆっくり飲んでほろ酔い加減になり、お腹もそこそこいっぱいになって乗るところが、今回はほとんどお腹に入れていない。離陸してから1時間たっても飲食のサービスもないので何時に昼食のサービスがあるのと聞いたら30分後と言っていた。
イタリアが時間にルーズなのは有名なので30分後ということは1時間後かなぁと思っていたら、そのとおり1時間後に飲み物のサービスが始まった。

気に入ったのは飲み物が無料なことである。最近では日本の航空会社も含め、アメリカやヨーロッパ行きでもエコノミーなら飲み物 は有料である。ビールでもワインでもいっぱい600円か6ドルだから、5杯飲めば3,000円である。ただし無料の場合、お代わりが頼みにくい。ところがアリタリアの場合、座席の後ろにいくと開いてあるワインがあって注いでも乗務員は気にもしない。つまりワインは飲み放題ということである。ワインが安いイタリアの航空会社だからこうなるのだろうか。

しかもサービスされる食事が美味しいのには驚いた。私がいつも乗るユナイテッド航空の食事は最悪で、日本航空や全日空はまぁ食べられる。アリタリアはそれより美味しいのが意外だった。

ローマで乗り継ぎ

乗り継ぎ地点のローマでアルコールと水を購入しなければならない。ロンドン到着が深夜で店は開いていないからだ。乗り継ぎ地点なので当然ながらすべてduty freeである。前にも書いたように焼酎はない。ウィスキーで我慢しなければならない。ValentineとJ&Bがともに15ユーローである。 税抜きでこの値段は高いが選ぶ権利がないからやむをえない。ところが水はどこに行っても売っていない。それはそうだろう。一本100円の水を売っても商売にならないからだ。

仕方がないのでレストランとファーストフードの中間のような店でビールを買うついでに小ペットボトルのものを5本買っ た。小ペットボトルの水が日本円で300円である。水を買うのに1,500円の出費だが、選ぶ権利がない。ユーローの現金は用意してなかったから支払はカードで払った。カードはこのような時、便利である。

ロンドン到着

ローマからの飛行機が遅れ、ロンドン到着は深夜となった。ロンドンのタクシー代が高いのはこの前来たときに体験済みだが、ホテルまでチップを入れて70ポンド、11,200円である。空港からダウンタウンまでのタクシー代は世界の主要都市でロンドンは成田を除いて最も高い。

某月某日 ロンドン滞在

部屋が寒い。今朝のロンドンは寒いのだが、セーターを着ても寒い。そのうち鼻水が出だした。暖房を効かせて寝たのにおかしい。フロントでよくよく聞いてみたら、空調設備が暖房と冷房と別になっており、暖房はカーテンに隠れていたので間違って冷房を使用していたのだ。明日から仕事なのに風邪を引いたのでは話にならない。慌てて風邪薬を飲んだ。

部屋も暖かくなり、気分もよくなったのでブランチを食べに出かけた。宿泊しているHoliday Inn, Oxford CircusはOxford StreetのそばのWelbeck Streetにあり、飲食店はいくらでもある。

こぎれいなGiraffeという店に入った。少し眠いので何か飲もうということになり、赤ワインを頼んだ。 パリと同じでロンドンもビールの小瓶よりも少し高い値段で良いワインがとれる。しかも日本と違ってグラスワインもなみなみと注いでくれる。飲兵衛としては 嬉しくなる。サービスも良いので2杯も飲んだ。ボトルにしたら半分以上もある。良い気持ちになって、昼寝が出来た。

寝たら疲れもとれた。さぁ、水を買いにいかなければならない。海外出張すると水を確保するのが重要な仕事になる。ホテルの人に聞いたらTESCOというスーパーがそばにあるという。行ったらレジが8人もいる本格的スーパーである。日本から持参した「きゅうりのキューちゃん」がなくなったので何かピックルスでも選ぼうとして見ていたら、隣の中年の男性が「それは美味しくない、こちらのほうが美味しいですよ」と1ポンドもしない商品を薦めてくれた。
Thank you.と言ったら嬉しそうだった。アメリカと同様、イギリスでもスーパーで見ず知らずの人がおせっかいをやいてくれる。日本と異なり、イギリスはおせっかい文化なのだ。

夕食は安くて美味しいレバノン料理を試したかった。飛込みで、ある店に入った。案の定、メニューを見てもさっぱりわからない。ウエイターに相談しながら、注文したら先ず何にも味付けしていない野菜がドーンと出てきた。キューリ丸ごと一本、キャベツが半分、人参が何本もある。これが美味しい。出てきた料理もすべてしつこいのだが、ワインと一緒なら食べられる。しかもレバノンのワインというのが重くて美味しい、堪能させてもらった。それで会計は三人で8,000円と安い。食事は高いロンドンでもレバノン料理を食べれば良いのである。

<英会話応用>
レバノン料理店で推薦料理は (What would you recommend at a Lebanese restaurant)
レバノン料理のことが良く分からないのですが、何がお薦めですか。 (We are not familiar with Lebanese cuisine. What dish would you recommend?)
小皿で多くの料理を試したいのです。どうしたら良いですか。(We would like to try as many dishes as possible by small plates. What would you suggest?)
生野菜は沢山ください。(For vegetables, we want a lot of vegetables.)
ワインは赤が良いのですが、何かお薦めはありますか。(For wine, we would like to taste red wine.)
ワインを入れて合計で60 ポンドくらいにしていただけますか。(Can you get our total to be 60 pounds or so with wine included?)

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