エンジニアを同行

メーカーのエンジニアを同行しました。エンジニアは現地での商品の修理を担当して貰うことになります。 顧客がエンジニアを夕食に招待してくれました。例のように隠したビールで乾杯。エンジニアは料理を美味しそうに食べていましたが、私は口に合わないので、あまり食べず、ビールの後はウイスキーの水割りを飲みました。ウイスキーはボトルで注文できましたが、また隠す必要がありました。

このエンジニアがアラビア語を習いたいと言い出したのです。それが本気でした。そうしたら現地の輸入代理店の担当者が喜んで教え始めました。見ているとアラビア語も矢張りきちんとルールがあるのですね。 アラブ人は自分たちの文化を吸収する人を歓迎します。冗談で聞いた話ですが、キリスト教とか仏教を改宗してイスラム教になるとそれだけで1千万円以上の現金が支給されるそうです。クウエート人に貧乏人はいないと言われています。教育、就職、住宅、土地と何から何まで支援され、保証されています。日本人がアラビア語を覚え、イスラム教に改宗して、アラブで生きたら成功するでしょうね。

もっとも女性だったら、大反論するかも知れません; 「冗談じゃないわよ。結婚して第一夫人になったって、いつ第二夫人が出来るか分からないんでしょ」と。

商品が設置されている工事現場を訪問しました。ビルの建築業者は、とても良いところのようで現場ビルは立派です。ビルの中は清潔されてきれいですが、工事はインド人やパキスタン人がやっているのですが、効率は悪そうです。
また離れた箇所にある仮小屋の清掃設備がトイレも含めて極めて不潔です。これがまいりますね。

中近東での現場はいつもこれが問題になります。資金はありますから、飛行場でもどこの設備でもきれいで立派なものが出来上がります。ところがそれを維持することまで考えていないで発注しているため、出来上がって半年も経つと不潔に荒らされている状態が続くのですね。本当にもったいない話だと思います。

富豪からの招待
クウエートでも有数の富豪であるベベハニ氏から夕食の招待を受けました。この人は訪日すると帝国ホテルに宿泊しますが、一泊300万円もするエグゼクティブスイートに泊まります。筆者がそのような部屋を見れたのはこの人に呼ばれた時です。

この富豪は自宅に招待客用ゲストハウスを所有しています。このような富豪がゲストハウスを持っていることは良く聞きますが、招待されるのは初めてなので期待して行きました。
ゲストハウスはナイトクラブのようなインテリアで出来ており、照明がエキゾチックな雰囲気を醸し出しています。
驚いたことに、その広い部屋には全世界の名酒が数百本以上も並べられています。日本のお酒も何本もありました。お酒を飲むことは禁止され、輸入もできない国でどうやってこれだけのお酒を手に入れたのでしょうかね。

貧乏人の計算は後回しにして、この名酒から自分の飲みたいお酒が飲めるのですから最高です。料理はこの家の調理人であるスーダン人が腕を振るってくれます。中近東の人がよくスーダン人を料理人に使っていますが、他の人の家でも筆者はスーダン人の料理を毎日ご馳走になり楽しんだことがあります。

さて話が盛り上がるとこのベベハニ氏の会社の輸入担当部長が話を始めました。この人は英語がとてもうまいのですが、英語がうまいためか、おしゃべりで筆者はいつも話し過ぎだと思っていて困っていましたが、大切なクライアントの担当部長なので我慢をしていました。

この人の説教がまた始まりました。You know, friendship is more important than business. (いいですか、友情はビジネスより大切なんですよ) So, we should always share good food between friends. (ですから、私たちは美味しい料理はいつも友人の間で分け合わなければいけないんですよ)と終わりそうもありません。

そうしたら、ベベハニ氏が話に入りました。You want to share a good girl with friends, don’t you. (君は、美人の女性は友人と分け合いたいのだよね)と。

部長は少し慌てます。そしてNo, I don’t mean that. (そういう意味ではありません) I mean … I want to emphasize that friendship is very important. (私は友情が大切だと言いたいのです) と言い訳しました。
これに対して社長のベベハニ氏はSo you want to share everything, everything you have, is it correct? (だから、君は全て分け合いたい。君の持っている物もすべてだね)と言ったところ、部長は黙り始めました。

社長は I understand the way you feel. The manager is always wiser than his employee, you know. (君の精神構造は良くわかるよ。経営者は社員よりいつも利口なんだよね)と話に結論を付けてしまいました。

このあとは部長の話しが終わりそうにないと、筆者が You see, you are a little bit talkative, aren’t you. (あなたは少し話し過ぎではありませんか)と、言うと話を終えてくれるようになりました。世界の名酒を飲みながら、世界的富豪と一緒にその部下のおしゃべりを止めて気分はスッキリでした。

<貿易英語応用例>

Question: We are interested in working as your exclusive agent in Kuwait. Is it possible? (弊社は貴社のクウエートにおける専属代理店として従事することに興味があります。それは可能ですか)

Answer: Japanese manufacturers are usually interested if you were to work on an non-exclusive basis. (日本のメーカーは貴社が専属代理店ではなしに従事してくれるときに興味があります)

Q: As you can see, Kuwait is a small country, so if anybody were to start something, everybody would know. (ご覧の通り、クウエートは小さな国です。ですから誰かが何かを売り始めれば全ての人がそれをすぐに知ってしまいます)

A: If you guarantee a certain amount of the purchase per year, we can negotiate with the manufacturer. (貴社が一年間に一定の数量を売ることを保証していただければ、弊社はメーカーと交渉することは可能です)

Q: However, we cannot give you the amount unless we know about your product after we sell it in the market. (しかし、弊社が実際に市場で売ってみて貴社の商品を良く理解しない限り、その保証は出来ません)

A: How about we establish a trial period of six months? If the manufacturer decides to not sell their product to other companies during this period, it is possible to determine for you how many units can be sold each year. (半年の仮の試行期間を設定するのはどうですか。メーカーもその期間は他社に売らないことにすれば、その間に営業していただき、年間どのくらいの数量が売れるか判断できるのではないですか)

中東のパリだったベイルート
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