【 第1章-13 】
  中級者を目指す

 初心者を卒業してからは、いろいろな方法を手当たり次第にやりました。
今から考えると、最も効果があったのは次の3つです。毎日2時間くらいずつ、4年間やりました。

  1. 世界の政治家の演説を繰り返し聞く。
  2. 映画の台本をCDで聞く。
    映画は見ないで、耳から聞いたほうが効果があります。
  3. 小説を原書で読む。

 このように書くと読解力が相当あるみたいですが、それほどでもなかったのです。
 その証拠にヘミングウェイの「武器よさらば」("Farewell to Arms")の最後のほうで、operation という言葉がたびたび出てくるのですが、この意味がわからず、辞書をひいて「手術」とわかるレベルでした。
 ミーティングサービスというアルバイトもやりました。飛行場に外国人を迎えに行く仕事です。
 ボランティアで観光ガイドや簡単な通訳をやったのも勉強になりました。

 私の英語が、いつごろ中級から上級になったのかはわかりません。
 なぜかというと、上級になっていないときに実務をやりだしてしまった可能性が多いからです。
 実務をやりながら必要な知識を身につけ、気がついたら翻訳者になり、翻訳会社の経営を始めていました。
 私は日本人やアメリカ人から、どこでどうやって英語を覚えたのかと聞かれた場合、独学でやったと答えます。
 アメリカに留学したこともなく、大学の英文学部を出たわけでもありません。
 英会話スクールは前に言ったようにすぐにやめてしまいましたし、翻訳スクールに行ったこともありません。
 外国語というのは、きちんとしたやり方で一定の時間をかけてやれば、誰でもできるようになるもので優秀でもなんでもありません。

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