【 第2章-1 】
  はじめてのビジネス英語に冷や汗
――Yes, ..Speaking.

 私の前にいる上司が、電話をとるなり英語で話しだしました。外国人バイヤーからの電話です。
 日本人ばかりの職場に響く英語の電話は、私が話しているわけではないのに、緊張感を覚えます。私がある電気メーカーに入社して3日目のことです。
 メーカーといっても小さな会社で、研修などはまったくありません。商品についての英文カタログを渡されて、勝手に勉強しろというわけです。
 英語を話す者は私も入れて2人しかいません。1週間目には、英語ができるというだけで、営業部長にアメリカ人バイヤーがいるホテルに連れていかれました。商品知識もろくにないのに汗だくで通訳のまねごとをし、最後に翌日の約束をしました。

――Is it possible for me to see your factory?
(工場を見学することはできますか)
Yes, certainly. When is it convenient for you?
(もちろんです。ご都合はいつがよいですか)
――Tomorrow is OK for you?
(明日はご都合がよいですか)
Yes, that'll be fine.
(はい、けっこうです)
――Could you pick me up at 8:30 tomorrow morning?
(明日の八時半に迎えに来ていただけますか)
That'll be no problem.
(はい、承知しました)

 ここで席を立ちます

Thank you for coming.
(おいでいただいて、ありがとうございました)
――You are welcome.
(とんでもございません)

 握手をしたら、振り向きもせずスタスタ行ってしまいました。

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