【 第2章-4 】
  アメリカ人バイヤーを接待する

 この前の横田基地のバイヤーから、大口注文が入りました。
 そのバイヤーが来るから、昼間から夜まで接待するように言われました。
 昼間から何をして接待をすればよいのか、見当がつきません。
 いろいろ考えているうちに三時になり、バイヤーは到着しました。
 私はあいさつの後、どこに連れていったらよいか、本人に聞くことにしました。

Hello, Mr. Johnson, nice to see you.
(こんにちは、ジョンソンさん、はじめまして)
Actually, we would like to invite you for dinner in the evening.
(実は今晩夕食に招待させていただきたいのです)
But before that, we have some time to spend.
(その前に少々時間があります)
Would you like me to show you around, or do you have any other idea that you like to do?
(どこかご案内しましょうか。あるいは何かご希望がありますか)
――I would like to see a movie.
(映画が見たいのですが)
Do you have any specific movie?
(ご覧になりたい映画がありますか)
――Yes, I would like to see Charade.
(「シャレード」が見たいんですよ)
That's fine.
(けっこうです)

 聞いてみたら簡単に決まってしまいました。
 このような場合、日本人だと遠慮をしてなかなか希望を言ってきませんが、欧米人ははっきり言ってくるので聞いたほうが簡単です。 さて今度は夕食です。

Which do you like to prefer Japanese food or Western food?
(和食と洋食とどっちがいいですか)
――I prefer Japanese food.
(和食のほうがいいですね)
How about tempura?
(てんぷらはお好きですか)
――Great.
(けっこうですね)

 欧米人は食事に招待される場合、日本人のように「おまかせします」とは言いません。 ですからきちんと聞くべきです。飲み物についても、

Would you like to drink something?
(何かお飲みになりますか)
と聞きますと、
I would like to drink wine.
(ワインを飲みたいです)
とか、
Beer, please.
(ビールにしてください)

とか、必ずはっきり言ってきます。

 てんぷらとすきやきがきらいな欧米人はまずいませんが、寿司と刺し身はたまにきらいな人がいます。生で魚を食べる習慣がないからです。
 余談ですが、納豆を食べられる欧米人はほとんどいません。あのにおいがたまらないそうです。

 欧米人の間では、日本人のように、ビールでとりあえず乾杯して、その後、別のドリンクを飲むという習慣はありません。
 また二人で食事していて、二人ともビールを頼んだ場合、日本人ですと、その二本はお互いのもので、片方がなくなったら残っているビールを自分のグラスについでもなんでもありませんが、欧米人の場合はちがいます。
 二本のうち一本は自分のもので、相手が先になくなってもつごうとはしません。ですからそのビール瓶を、自分のそばに置いておきます。
 私は以前このことがわからず、相手のビールが残っていたので、そのビールを自分についで、いやな顔をされたことがあります。

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