【 第3章-1 】
  ヨーロッパでホテルを探す

 「ヨーロッパ家具・インテリア視察団」の添乗員になってしまいました。このプロジェクトの企画と海外との連絡は私がやっていた関係で、自然にそうなってしまったのです。
 コペンハーゲンについて、初めてヨーロッパに来たんだなという感激もさめないうちに、トラブルが起きてしまいました。
 われわれの宿舎として予約していたホテルがひどすぎると、団員から文句が出たのです。
 旅行代理店にまかせっきりで確認しなかった私が悪いのですが、このホテルは船を改造したもので、部屋は狭すぎるし、視察団参加料が高い割にひどいホテルだというのです。あるデパートの重役夫妻からは、ここのトイレは自分の家のトイレより狭くて汚いと言われる始末でした。
 コペンハーゲンには3日間も滞在する予定ですから、これでは我慢ができないということで、なんとかすることを約束しました。
 その晩は、団員が納得するよいホテルがとれて、総勢18名が明日から新しいホテルに移れるかどうか、心配で眠れませんでした。
 次の朝、スカンジナビア航空コペンハーゲン支店にいる日本人の友人に応援を依頼し、あるホテルに行きました。
交渉役はその友人がやってくれました。

Good morning!
I am a customer service personnel from Scandinavian Airlines.
(おはようございます。私はスカンジナビア航空の顧客係の者です)
He is our customer and is looking for 9 rooms.
Do you have rooms available?
(この人は弊社のお客様なのですが、部屋を探しています。
こちらでは9部屋あいていますか)

 私は友人の英語による交渉を見ていて、自分が困っているのも忘れて感心してしまいました。
 まずていねいにあいさつをする。次に自分と私のことを手短かに紹介し、わかりやすく用件を伝える。とても勉強になりました。
 勉強になったのはいいのですが、肝心の部屋は空いていないんですね。
 次のホテルに行ったら、部屋はあるが、いくつかの部屋がシャワーだけでバスがないというのです。欧米人は日本人ほど風呂好きでないから、シャワーだけでもけっこう平気なのです。
 あと何軒か当たり、午後になってやっと見つかりました。やれやれです。

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