【 第3章-17 】
  ジョークを言ってみよう

 この前飛行機に乗っていたとき、ある客室乗務員が自分の娘の写真を出して、さも自慢そうに She is my daughter. と言ったんですね。
 そうしたら見せられたほうは、写真を見ながら、

No, she is not your daughter. Because she is pretty.
(この人はあなたの娘さんじゃないでしょ。だってとてもきれいだもの)

と言ってまぜっかえしたんですね。
 相手の期待する答え、つまり娘さんはきれいだということを礼儀上言いながらも、でもあなた自身はきれいじゃないわよと痛烈に皮肉っているわけですから、 相手はあわててまた反論しようとしてきますよね。
 この会話を聞いていて「うまいなぁ」と思いました。
 このような相づちは初心者の方には少し難しいかも知れませんが、私が強調したいことは、このようなジョークをできるだけはさんだほうが、英語の話ははず むということです。
 それからジョークのやりとりをしていると、英語文化における考え方というものがだんだんとわかってきて、外国人と交際するときのカンのようなものが養わ れていくような気がするんですね。
 ですからはじめのうちは下手でもいいですから、いろいろ試してみるべきだと思います。

 以前、ある式典の、外国人記者団に対する案内役をやったことがあります。記者は職業上よく皮肉を言って困ら せたりしますよね。 
 このときもある記者が、

Its bad weather, today.
(今日は天気が悪いですねぇ)

と言ってきました。
 そうしたらわれわれ案内役の中心者が、すかさず、

That's not our responsibility.
(それは私たちの責任ではありませんね)
Our responsibility is to try to make you happy.
(私たちの責任は、あなたがたが楽しめるようご案内することですから)

と言ってニヤッと笑ったのです。ジョークを言いながら、こちらの言い分をあらかじめ伝えていて見事ですよね。

 最近あるアメリカ人から言われたジョークが傑作だったので、ご紹介します。
 私は日本からサンフランシスコのビジネスマンに電話をして、現地時間は何時かと聞きました(What time is it now in San Francisco?)。
 向こうは夕方の六時半だとわかりました。
 私は、日本は今午前10時30分で、アメリカより一日早い(Its 10:30 in the morning. But we are one day ahead of America.)と言ったのですね。そうしたらこの人が、

So you are my future.

と言ってきたので吹き出してしまいました。
 日本のほうが時間が先に進んでいるということを認めて相づちを打ちながら、もう一方では「あなたが私の未来なのだ」とジョークを言っているわけです。う まいですよね。
 仕事の件で、少し文句を言おうかなと思って電話をかけたのですが、このジョークでそれがトーンダウンしてしまいましたね。

 ある日本人と話していましたら、その人が面白いことを言うんですね。それは何かと言いますと、英米人は日本 人より背が高く、上から見下ろされるので、劣 等感を持ってしまうと言うのです。
 私はその人に、今度そのようなときには、次のジョークを言ってみたらとすすめました。

I don't like American.
(私はアメリカ人がきらいなんです)

 相手はビックリします。そこでおもむろに、

Because you are tall.
(なぜかと言いますと、あなたがたは背が高いですよね)
But we, Japanese are short.
(でもわれわれ日本人は背が低いんですよ)

 このジョークは効きます。私が以前試して効果がありましたから。



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