【 第4章-8 】
  見知らぬアメリカ人に助けられる

 仲間と別れた私は、一人でインディアナポリスから夕方のフライトでニューワークに行く予定だったのですが、機械の故障(mechanical problem)で大幅な遅れとなりました。
 私はこのことを、ニュージャージーの友人のトムに知らせなければならなくなりました。
 そうしないと彼は、ニューワークの空港まで迎えに来てしまいます。
 そこで公衆電話(pay-phone)で長距離電話(long distance call)をかけようとするのですが、どうもうまくいかないのです。
 困った私は、誰かに助けを求めようと決め、待合席にいた、人のよさそうな中年の女性に声をかけました。

Excuse me but can you help me?
(すみませんが、助けてもらえますか)

 その女性が電話のかけかたを説明し始めましたら、他の人も何人か集まってきて、この方法がよいとか、それじゃだめだとか、いろいろ言い始めました。
 そのうち一人の中年の男性が「私について来なさい」と言って公衆電話のところまで一緒に言ってくれ、彼の電話用のクレジットカードを使わせてくれたものですから、すぐに通じて、トムと話すことができたのです。
 電話代を支払うと言ったら、いらないと言います。
 それじゃ悪いので、

Can I buy you a drink? I have to kill time anyway.
(フライトを待つ間、時間をつぶさなければならないから、いっぱいごちそうさせてください)

と言ったらOKということになり、よもやま話に花が咲きました。
 アメリカのよいところは、何か困ったとき、見ず知らずの人に助けを求めても、助けてもらえることがほとんどだということです。
 それと面白いことに、誰かに相談していると、頼まれていない人まで参加してくることなんですね。

 かんじんのフライトですが、さんざん待たされた上、なんと欠航すると言うのですよ。
 航空会社で手配したホテルに泊って、明朝のフライトに乗ってくれと言うのです。
 トホホですよね。
 宿泊ホテルのクーポンをもらって「歩いてすぐ」というホテルまでトボトボ歩き出したのですが、どうも目的のホテルがいっこうに見えてきません。
 弱ったなと思っていたら、中年の女性が、

Do you need a help?
(何か困っていますか)

と声をかけてきました。
 私は「渡りに船」と、ホテルを探しているのだと言ったら、親切に場所を教えてくれました。
 今日は見知らぬ人に二度も助けられたわけです。
 異国の地で困っているとき、他人に助けられるとうれしいものですよね。
 私もこのことがあってから、日本で外国人が困っているのではないかと思うと、Do you need a help?と声をかけるようにしています。

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