【 第5章-10 】
  海外でよい中華料理店を見つける方法

 サンフランシスコのチャイナタウンは世界最大です。
 私は中華料理が大好きなので、サンフランシスコに行くのはいつも楽しみです。
 でもあれだけ数の多いお店の中から、どうやって安くておいしくて店を探すのか大変ですよね。
 ところがその方法を最近発見しました。それは日本でも同じことですが、お客さんがいっぱい入っているところを探すのですね。
 特に中華街では、中国人で混んでいるところが狙い目です。
 えっ、なんですって、中国人と日本人とどうやって見分けるのかですって?
 それは簡単ですよ。着ているものとか雰囲気でわかりますよね。
 もしわからなければそのお店に入って、中国語で話しているか、日本語で話しているかを、「この眼」じゃなく、「この耳」で確かめればいいんです。 日本の飲食店では1回入って「いらっしゃいませ」と言われてしまうと、出るわけにいかなくなります。仕方なくしぶしぶ何か注文したりしてしまうときがあります。
 ムリヤリ出ると「いやみ」の一つも言われた上に、塩をまかれたりすることもありますよね。
 アメリカのレストランでは、そんなことはありません。
 中華料理店に限らず、どんなレストランでも、入って雰囲気とか値段を見て、気に入らなければ出ていっても相手はなんとも思いません。
 私も2、3軒見比べた後に、入るお店を決めることがよくあります。

 そんなわけで、今日もこの手でいこうということになりました。
 ありましたよ、中国人で混んでいて、しかもお客さんが椅子に座って待っているお店を見つけたんです。
 私たちもしばらく待った後、入りました。メニューを見ましたら安いこと安いこと、日本のラーメン屋さんの値段と変わらないんですよ。
 高級料理が9ドルからあるのです。中国料理の場合、英語でメニューを読んでも何がなんだかわかりません。
 だから自分の好きな料理を漢字で覚えておけばいいのですね。
 さて私たちも3品はすぐに注文したのですが、白人のアメリカ人男性と中国系のアメリカ人と思われる女性が、おいしそうなものを食べているのが見えたのです。
 私はそのテーブルまで歩き、男性は中華料理のことはわからないだろうと思って、その女性にいきなり話しかけました。

Excuse me.
(失礼します)
Could you tell me what that food is?
(その料理は何ですか)
I came to this place for the first time.
(ここは初めてきました)
So I don't know what we should take.
(ですから何を注文したらよいかわからないのですよ)

 いきなり自分の連れに話しかけてきた見知らぬ男を不審がって見ていたアメリカ人男性も、その意図がわかって安心して、私のほうを見てニヤリとしてきました。
 それどころか質問の答え以外にも、おすすめ料理はこれだとか、あれを取ったほうがよいとか過剰なほど親切なんですね。
 私はていねいに

Thank you very much. You are so kind.
(ご親切にありがとうございます)

と言って自分の席にもどり、私が彼らの食べていた料理を頼みました。
 この料理は日本語だと「若鶏の香味ソース」でしょうか、実は私も何回も食べたことがある料理だったんですね。
 ところが日本の中華屋さんだったら3千円もしておいしくなかったのが、この店では10ドルセントでとてもおいしかったんですね。
 こんなことがあるので、サンフランシスコの中華街に通うのがやめられなくなるのです。

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