【 第5章-14 】
  I'll be right back. は「すぐ」ではない

 ある日、朝食を近くのファミリーレストランでとっていました。
 コーヒーのお代わりが飲みたくなったのでウェイトレスを呼んだら、

I'll be right back.
(今すぐにきます)

と通りすがりに言って、そのままぜんぜん来ないんですね。
 I'll be right back. という英語はとてもきびきびしていて、すぐに来てくれる期待をいだかせてくれますが、アメリカの飲食店ではその期待はまずかなえられません。
 このときも、さらに五分待っても来ないので、そーっと見に行ったら、食事に来た警官とおしゃべりをしているんですね。
 仕方なく席にもどって、他のウェイトレスを呼ぼうとするのですが、相手は気がついていても、チップの関係でしょうか、来てくれません。
 やっと来てくれてコーヒーのお代わりをもらいました。
 食事が出てくるのも遅いので、

How long does it take for you to serve our dishes?
(注文した料理は、あとどのくらいで来ますか)

と聞きましたら、

――They are coming.
(出来上がりました)

と言うのですね。
 私の経験では、アメリカのレストランで They are coming. とかIt's coming. と言われてすぐに出てきたことはありません。
 日本のお蕎麦屋さんでは、出前の催促がくると「ただいま出ました」と言った後に作り始めるといいますが、これと同じでしょうかね。
 冗談はともかく、アメリカのレストランは一般的に言いますと、スピードもサービスも日本のレストランより劣るようですね。
 その割には

Are you happy?
(ご満足なさっていますか)

とか

Is everything OK?
(すべてうまくいっていますか)

とよく聞いてきますよね。
 このように聞かれると、時には No, I am not happy. (いいえ、満足していません)とか No, there is a problem. (いいえ、一つ問題があります)と言いたくなるときがありますよね。
 このことからもおわかりのように、日本のレストランとちがってアメリカのレストランでは「よいサービスを提供する」ということは、お客様に話しかけるということです。

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